JDC信託は、「NANA」「下妻物語」などで知られる
映画製作会社など5社の作品を運用対象とした
「シネマ信託~製作者ファンド第1号~」
を組成し、個人投資家向けに募集を始める。複数作品
を対象にすることで“当たりはずれ”リスクを減らした。
ジャパン・デジタル・コンテンツ信託(JDC信託)は3月30日、
映画製作会社5社の複数の劇場用映画を運用対象とした
「シネマ信託~製作者ファンド第1号~」を組成すると
発表した。個人投資家から調達した総額
30億~50億円を活用して映画を製作し、収益を
投資家に還元する。複数の作品を運用対象にすることで、
映画につきものの“当たりはずれ”リスクを低減できるという。
運用対象は葵プロモーション、ウィルコ、小椋事務所、
オフィス・シロウズ、セディックインターナショナルの5社
が製作する劇場用作品。
5社は製作する映画の著作権をJDC信託に信託し、
投資家から集めた資金によるファンドに対し信託受益権
を売却することで製作資金を調達する。劇場公開やDVD
販売などの収益から、ファンドが受け取った分を投資家
に分配する仕組みだ。運用終了後、著作権は製作者に
返還する。
6月から証券会社を通じて募集を始める予定で、詳細
は今後公表する。運用期間は4年間程度とし、投資家に
は年2回の分配を予定している。
コンテンツ産業への関心が高まる中、個人投資家から
資金を募り、映画などのコンテンツを運用対象とする
ファンドの組成が相次いでいる。ただ、特定の1作品を
対象とするケースが多く、作品の出来や興行
成績の当たりはずれによるリスクが高く
なり、投資家が手を出しにくい面もあった。
新ファンドは「NANA」「あずみ」を手掛けたセディック
インターナショナルや「下妻物語」の小椋事務所など、
実績の豊富な5社が今後1~2年の間に製作する10~15
作品を運用の対象としており、リスクを分散可能な
「ポートフォリオ運用型」だとしている。新ファンドに先駆け、
シネカノンが製作・買い付ける約20作品を対象にした
ファンドの募集も始めている。
投資信託法に基づく投信商品ではないが、「実態は
コンテンツ運用型投信の先駆け」(JDC信託)。
不動産投資信託(REIT)などと同様、「富裕層向け
オルタナティブ投資の主力になりうる
金融商品」(同)として期待している。
「映画などの製作資金規模は国内は
2~3兆円。毎年2%成長だが、世界は6~8%、
中国と韓国は8%。もっと資金投下が必要だ」
──JDC信託の土井宏文社長はこう指摘する。政府
がコンテンツ立国を掲げる一方で、製作者側の資金
調達手法の多様化は進んでおらず、資金規模が伸び
悩む一因となっている。
土井社長は「コンテンツ振興の議論は『通信と放送の
融合』や著作権法改正など、若干小手先の方に流れ
ている。どうやっていい作品を作って届けていくか、
ということを国民は望んでいるのでは」と話し、製作者
が資金の工面に苦労している現状を改善すべきだと
指摘。著作権信託方式による新ファンドのような
スキームを普及させ、3~5年以内にも受益権市場だ
けで2~3兆円市場に育てたいと意気込んでいる。
(ITMedia)
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シネマ信託のアイデアは素晴らしいですね。
本当に富裕層向けのオルタナティブ投資の主力に
なって欲しいです。
少し気になるのが、
「映画が好きで夢を応援してあげたいという人」=「富裕層」
とは限らないし、ファンドのトラックレコードのみで投資判断
されたりすると寂しいものがありますね。色々な観点で
投資家への付加価値を考えてうまくギャップを解消して
マッティングしたいものですね。
ちなみにJDC信託は信託業法が82年ぶりに改正さ
れて初めての第1号免許を取ったチャレンジャーで
すが、経営状況は苦戦しているようです。やはり
組合関連のアレンジメントでてこずったようですね。